本年度の事業
この数年間、輸入牛BSE、O-157、食品メーカらによる偽装表示問題、品質管理
欠陥製品の流通等、「食の安心・安全」を脅かすニュースは枚挙にいとまがない状況
でした。
その様な状況下、弊社ではこの数間「食の安心・安全」をユビキタス技術を活用した
トレーサビリティシステムによって実現しよう、と言うテーマで活動をして参りました。
振り返るとその当初の取組み内容は、より技術的側面に重点を置いた実験色の強い
もので、運用・コスト面でとても実現的とは言えない仕組みでした。
しかしながらこの数年の試行錯誤の末、昨年度の取組みではある食品小売チェーン
ストア様においてトレーサビリティシステムの実運用稼動を実現することが出来ました。
この取組みは、その小売チェーンストア様が仕入れる鶏卵、農産品、畜水産品の各
生産拠点にて蓄積されている生産履歴情報及び中間流通情報と、店頭に並ぶ商品
一つ々々とをucode※を使って連係させ、消費者に情報開示する
という内容です。
この取組みの一つの特徴として、二次元バーコード(QRコード)形式で印字したucodeを
活用することにより、生産・流通・小売段階において日々の運用に負荷を掛ける事無く
低コスト運用が可能となった点です。
こうして、最終的に店頭に並んだ商品一つ一つに付与されているucodeから、その商品の
生産・流通履歴情報を消費者に開示することにより、それぞれの商品の安心・安全を担保す
る、という取組みでした。
そして、今年度はこの取組みをベースに全国販売されている加工食品にも応用し、全国
複数の小売チェーンストア様との間をこのトレーサビリティシステムを導入します。
もちろん各小売チェーンストア様と取引がある鶏卵、農産品、畜水産品生産拠点にも展開
します。
この様に、昨年度を「線の取組み」と表現するならば本年度は「面の取組み」と言えます。
加えて本年度は消費者への「情報の開示」について幾つかのアプローチを試みています。
情報の内容については、食品の安心・安全の情報の他消費者が見て楽しめる情報(例え
ばレシピ情報など)など、付加価値の有る情報も提供できるようにしました。
開示の手段については、店頭キオスク端末の他、携帯電話・パソコンなど、幅広い機器に
対応しました。
これにより、消費者の皆さんに一層「食の安心・安全」について興味を持って頂き、ひいては
この事業に参加する食品サプライヤ様、小売ストア様にとっても、より意味の有る取組みにな
ると確信しています。
今後も、この取組みをベースにより良い仕組みをより広く普及させる様に努力することで、「食
の安心・安全」を実現して行きたいと思います。
(と)
※:ucodeとは
東京大学の坂村健教授が発起人となって設立したT-Engineフォーラムが提唱する基盤技術。
ucodeは、「モノ」や「場所」を識別するために、ひとつひとつに対して与えられた「世界にたった
ひとつの番号」(固有のID)です。ucodeを格納するデータキャリアデバイス(バーコード、RFID、
Active Chip、Smart Cardなど)をucodeタグと呼びます。ucodeの基本コードは128ビット長で、必
要に応じて128ビット単位で拡張可能です。




